プロ×交通安全
「昨年から、これやりたかったんさー。」(←三重弁)
多気町の小学校で毎年やっている交通安全教習。この学校では実技を学ぶのが3年生からなので、上級生がやっているのを見て1年間待っていてくれた。嬉しい。
我々のプログラムは一貫している。走る、曲がる、止まるのうち、まず「止まる」をきっちり。止まりたいときに止まれないと、自分だけじゃなく他の誰かも危険になる。かといって
「止まれなかったら、あなたも加害者になるかもしれません」
なんていう、最近の保険会社CMのような言い方はヤボ。
「きみの運転が上手だと、自分も安全だし、みんなも安全だよね」
ここにも感性的手法。
さて、制動でいちばんクリティカルなのは、緊急時の急制動。これ以上「止まりたいときに止まれないとやばい」状況はない。
黄色いコーンからブレーキスタートして、オレンジのコーンから先が交差点のイメージ。まず、後輪だけブレーキをかけてみる。タイヤがズリズリした跡に注目。車輪の回転は止まるけれど、自転車は止まらない。やって見せると一目瞭然。
「あーあ、自転車の先生ひかれたわ」
「じゃぁ、前輪だけかけるとどうなる?」
「ギューンってなる!」(←意味不明 笑)
「前に吹っ飛ぶ!」
実演。
「前につんのめったけど、自転車は交差点の手前で止まってないかい?」
誤解が生じないよう申し上げておく。これはスタントではない。前ブレーキと後ブレーキ、それぞれの意味と効果を理解させるための実演。
頭でわかっても、体は動かない。大人だってそうだ。なので、シミュレーション。
エアーでブレーキ。通称「エアー・エビ」。
「サクラエビじゃだめ!ここは三重県なんだから、やっぱ伊勢エビやろ!」
とゲキ。するとどうなるか。
できるようになる。
やってみせて、言って聞かせて、させてみせて、ほめてあげる。
有名すぎる言葉だが、本当にその通りだと思う。
special thanks Kazuki Shimizu