西井匠
Doctor of sports science
西井匠
Doctor of sports science
スポーツ科学の博士。2008北京オリンピックMTBチーム監督。MTB日本代表チーム元ヘッドコーチ。三重県多気町で展開されている「多気町・自転車のまちづくりプロジェクト」プロデューサー。
高校卒業まで帰宅部だったが、大学1年の時はサイクリングで北海道1周し、大学2年から自転車競技をはじめる。利用していたショップに現役のオリンピック選手が2人もいたことで、その後の人生が変わる。MTBだけでなくロードやトラック競技にも力を入れ、トラックでは西日本インカレで入賞、ロードでも県代表に選抜される。
大学卒業後も競技を続けるため、大学院へ進学。研究のかたわら、MTBでのオリンピック出場を目指す。挑戦するも選手としての出場は実力不足と悟り、早々に現役を引退。選手経験と研究知識を活かしたコーチでオリンピックの土を踏むことに目標を切り替える。
大学院在学中にミヤタスバルから声がかかり、スタッフとしてチームに参画。TOJやツール・ド・北海道での活動が認められ、ロード日本代表チームのスタッフとしてツール・ド・ランカウィなどのUCIレースにも帯同。その後は愛三工業のアドバイザーも努める。この頃に雑誌「サイクルスポーツ」でスポーツ科学に関するコラムを4年間にわたって連載する。
その後、スイスにあるUCI本部でのコーチ研修を経て、MTB日本代表チームのスタッフに。2008年の北京オリンピックにはMTBチームの監督としてオリンピックの土を踏む。また、ロードもMTBもすべて把握している希な人材として、2010と2014のユースオリンピックには自転車日本代表チームの総監督として指揮をとった。
本業である研究職としては、大学教員、国立研究所の研究員を経て、フリーランスの研究者へ。シマノの製品開発に関する技術指導や、トヨタやデンソー、アイシン精機など自動車関連企業の開発支援、自転車メーカーWIAWISのバイク開発など、人間の生体情報の計測をコアテクノロジーにした開発・研究支援をしている。その専門知識を活かし、現在は「サイクリストの秘密ラボ・flasco」を主宰。フィッティングやプライベートレッスンなど、科学的な知見と数々の経験を結集したコーチングは、来訪者から「まさに秘密基地だ」と喜ばれている。
そして今、自転車があることで生活が豊かになるライフスタイルを提案している。 豊かな自転車文化を創造するために、全国どこでも自治体と一緒に現場(ハード)を作り、そこを使った遊び方(ソフト)も支援し、関連するプロダクトも開発する、まさに自転車の総合プロデューサーである。
わたしが自転車を通じて実現してきたことの頭文字を集めたら”flasco”になりました。科学者としてのイメージを連想させつつ、皆さんと一緒に化学反応を起こすことができたら、なんと素敵だろうとの思いが込められています。