いわゆる「クリートの遊び」をどう表現するか
クリートを勉強するにつれ、表現に悩んでいる。
ビンディングペダルにクリートを合体させたときのいわゆる「遊び」。「遊び」でもわかるんだが、もっといい表現はないものか。
そう思って、各メーカーの説明書(原文)を片っ端から調査。floating angle, angular freedom, range of float, liberte angulaire floatなど多様。多いのは"float"か。直訳すれば「浮く」。ながらくルアーフィッシングをやっている私としては、ペダルにはまったあの状態はfloatというよりsuspendに近い状態のような気がするが、英語ネイティブたちがfloatを使うので、正しくはfloatなんだろう。
floatに次ぐ単語が"angle"、直訳すれば「角度」。なのでfloating angleをそのまま訳すと「浮いた状態の角度」という、ますますわかりにくい表現になる。angular freedomは力学系用語だろうか、辞書で引くと「角自由度」と出てきた。きっと正確な表現かもしれないが、「ペダルと合体しているのに、少し動く」というあの感覚をイメージしづらい。フロート範囲(range of float)は、実際の使用感に近い印象。タイムを選択肢に入れた場合、この表現じゃないと的確とは言えない。なので、flascoでは当面「クリートの遊び」を「フロート範囲」という言葉で統一したい。
ちょうどそんなリサーチをしているとき、クリートのまとめ表を出しているところがあったので紹介したい。
https://www.instagram.com/p/B6Q_bG_IpDJ/?utm_source=ig_web_copy_link
1枚の図に収めるために、目盛り1度の間隔が0~5度、5~10度、10~15度で異なっている点には注意。だがしかし、各メーカーの特徴はつかみやすい。もう一つ注意する必要があるのが、シマノとタイム。シマノの場合、フロート範囲の違いだけではなく支点の位置が違う。
タイムは、フロート角が10度あるだけでなく、左右に2.5㎜平行移動する。フロート角ではなく「フロート範囲」という表現じゃないと的確ではない、としたのはそのためだ。そしてこの「フロート範囲」が、私の中では極めて重要な意味を持っている。